
今回は303名の方を対象に航空会社の満足度リサーチをおこないました。
その結果から満足度ランキングをご紹介します。
事前調査で航空会社の利用についてリサーチ
満足度調査をおこなう前に、まずは全国のみなさんに「航空会社の利用」について聞きました。
調査手法 | インターネットでのアンケート ※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を始め複数の調査サービスを利用して調査を実施 |
調査対象者 | 全国の男女(調査サービス利用者) |
調査期間 | 2019年11月28日~2019年12月5日 |
調査対象企業選定条件 | 日本において、国内線・国際線両方の旅客事業をおこなっている航空会社 (選定日:2019年11月22日) |
質問内容 | 利用したことのある航空会社をすべて選んでください。 |
1,358名にご回答いただいた結果、航空会社を利用している方の数は次のようになりました。
航空会社の満足度ランキング
事前調査で「航空会社を利用している」と回答した方に本調査を実施し、利用した航空会社についての評価を伺いました。
満足度ランキングの作成にあたり、97名以上から有効回答を得られた5社で、各社先着97名の回答を集計しました。
97名以上の有効回答を得られた航空会社 |
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調査手法 | インターネットでのアンケート ※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を始め複数の調査サービスを利用して調査を実施 |
調査対象者 | 事前調査において提示した航空会社について「利用している」と回答した方 ※事前調査で条件を満たした方にそのまま続けて本調査を表示し、回答を得ました |
調査期間 | 2019年11月28日~2019年12月5日 |
調査対象 選定条件 |
本調査において、97名以上から有効回答を得られた5社 |
質問内容 |
「○○」について伺います。 質問1:「予約のしやすさ(わかりやすさなど)」についての満足度を、10点満点で評価してください。 質問2:「料金」を、10点満点で評価してください。 質問3:「機内サービス」についての満足度を、10点満点で評価してください。 質問4:「接客」についての満足度を、10点満点で評価してください。 質問5:「総合的な満足度」を、10点満点で評価してください。 質問6:その評価の理由を教えてください。 ※「○○」には各航空会社の名前が入る |
航空会社を利用している97名が、総合満足度を10点満点で評価した平均点は次のようになりました。
それでは、総合的な満足度で第1位となった全日本空輸(ANA)から紹介していきます。
総合満足度1位:全日本空輸(平均7.361点)
全日本空輸を利用している男女97名に総合満足度を10点満点で評価していただいたところ、平均点が7.361点で第1位となりました。
全日本空輸の特徴
略称の「ANA」で親しまれている全日本空輸(以下、ANA)は、戦後間もない1952年に創業した航空会社です。創業当時は日本ヘリコプター輸送株式会社という名で、飛行機ではなく2機のヘリコプターを使った宣伝や報道のための運行をおこなっていました。翌年にはプロペラ機による貨物便の運航を開始し、まもなく旅客便の運航も開始しました。現在では、国内線の旅客数シェアNo.1の航空会社となっています。
ANAの大きな特徴は、サービスの品質の良さです。例えば「接客」については、ANAで働くスタッフのマナーや心構えなどについてまとめた書籍はいくつも出版されているほどで、ANAの接客を手本としている企業も多くあるようです。また、世界の航空会社や空港を格付けしているスカイトラックス社は、ANAを3年連続で「5つ星(最高評価)」の航空会社と評価しました。
ANAは、日本が世界に誇れる航空会社と言えるでしょう。
全日本空輸の評価理由
- 快適な空間をつくってくれる。(30代・女性)評価:10点
- 料金は割高だが、機内サービス、接客はさすがは大手航空会社と言える。(20代・男性)評価:9点
- 気持ちよく利用できる接客・乗り心地と安全性。(70代・男性)評価:8点
- 機内サービス接客はいいが価格が高い。(70代・女性)評価:7点
- 機内食が量・質ともとても物足りないです!!(60代・女性)評価:5点
総合満足度2位:スカイマーク(平均7.309点)
スカイマークを利用している男女97名に総合満足度を10点満点で評価していただいたところ、平均点が7.309点で第2位となりました。
スカイマークの特徴
スカイマークは、1996年に設立された、後述の日本航空・全日本空輸に次ぐ国内三番手の航空会社です。
1980年代、日本の航空路線のほとんどは、日本航空・全日本空輸・東亜国内航空(2004年に消滅)の3社が占めていました。このことに対して国が1986年に「規制緩和」を段階的に開始し新規の参入がしやすい環境を整えた結果、新しく航空事業を開始した第一号の会社がスカイマークです。
スカイマークは2015年1月に民事再生手続開始申立をおこないましたが、わずか1年2ヶ月後の2016年3月には民事再生手続は終結し事業を再開しました。2019年現在は売上高・利益ともに破綻前も含めて過去最高となるほど順調です。
航空会社には、JALやANAなど運賃が比較的高額である代わりにサービスが手厚いFSCと、運賃が低額である代わりにサービスが簡略化されているLCCの、大きく分けて2つの形があります。スカイマークは、その中間的な位置づけにある航空会社(MCC)です。
スカイマークの評価理由
- 値段も安いのにも関わらず、サービスも良いため。 機内が広いのが嬉しい。(10代・女性)評価:10点
- LCCより空港が便利で、価格的にもリーズナブルに移動できるから。(40代・男性)評価:9点
- 接客は日本航空や全日空よりも優れていると感じています。格安料金のメリットを含めると国内では最も好きな航空会社です。(60代・男性)評価:8点
- 機内サービスが劣る しかし料金は安くて大きなメリット(70代・男性)評価:8点
- 就航地に魅力なし。(60代・男性)評価:6点
総合満足度3位:日本航空(平均7.289点)
日本航空を利用している男女97名に総合満足度を10点満点で評価していただいたところ、平均点が7.289点で第3位となりました。
日本航空の特徴
「JAL」という愛称で親しまれている日本航空(以下、JAL)は、1951年に設立されました。日本政府主導による、半ば国営事業のような状態で運営されていた航空会社です。
1987年に完全民営化した後も、吸収合併や投資など幅広い事業展開をおこない、順調に業績を伸ばしているかに見えましたが、バブル崩壊など景気の悪化とも重なり、経営は大きく傾き始めました。その後も、経営状況は一時的な回復はあるものの大きく改善されることはなく、2010年に会社更生手続申立をおこなうこととなりました。
株式会社企業再生支援機構の助けのもと経営再建を開始し、現在はANAに次ぐ売上高国内2位の航空会社にまで復活を遂げました。また、2018年・2019年には、スカイトラックス社より2年連続で5つ星の評価を受けており、JALもANAと並ぶ、日本が世界に誇れる航空会社と言えます。
2020年の夏には、JALによるLCCブランド「ZIPAIR」の運航も開始する予定です。
日本航空の評価理由
- エコノミーの席だが意外とゆったりしていて十分リラックスできた。機内食は色々選べるものではなかったが美味しかった。客扱いも良かった。(50代・男性)評価:9点
- 日本を代表する航空会社、安心、安全、満足のいくおもてなし。(70代・男性)評価:9点
- CAさんを中心として職員の対応が丁寧で良いと思いました。(40代・男性)評価:9点
- 客室乗務員がとにかく素晴らしいから。(30代・女性)評価:10点
- 温かみが少ない。(60代・男性)評価:5点
総合満足度4位:ピーチ・アビエーション(平均6.760点)
ピーチ・アビエーションを利用している男女97名に総合満足度を10点満点で評価していただいたところ、平均点が6.804点で第4位となりました。
ピーチ・アビエーションの特徴
ピーチ・アビエーション(以下、ピーチ)は、2011年に設立され、日本の「LCC元年」と言われた2012年の3月より運航を開始したLCCです。同時期にジェットスターやエアアジアなどのLCCも日本で運行を開始しましたが、日本の会社としてはピーチが最初のLCCです。関西国際空港を拠点としており、24時間離発着することが可能です。
欠航率が低いのもピーチの特徴の一つです。飛行機はその他の交通機関と比べて、予期せぬ理由によって急遽欠航となってしまうことが多いですが、ピーチは欠航率がLCCの中でもとても低く、ユーザーからは「絶対飛んでくれる」という信頼感を得ています。
ピーチはCAも特徴的です。井上慎一CEOはCAに求める人物像として「“たばこ屋の看板娘”のように、誰にでも気さくに話しかけて人気のある魅力的な女性」という旨の発言をしています。
こうした方針によるCAの魅力からか、LCCのため提供されるサービスは必要最低限ながらも業績は好調で、毎年売上を伸ばし6期連続の営業黒字となっています。また、2019年3月期の決算では、LCCの中で売上高国内1位の会社となりました。
ピーチ・アビエーションの評価理由
- 格安にしては、格安以上の接客だったため。また、機内サービスも欲しい人は追加注文というわかりやすさだったため。(20代・女性)評価:10点
- アプリでもネットでも予約できて、手荷物の制限とかがわかりやすい。(10代・女性)評価:8点
- ユニークな機内サービスがあり、独自路線をしっかり貫いており雰囲気が良い。(40代・男性)評価:7点
- 料金が少しずつあがってきているのが気になりますが、小回りが利き、新たなフライトプランを提供してくれている。(30代・男性)評価:7点
- 定刻通りに発着しなかったので時間を守らなければいけない時には利用できないと思いました。(40代・男性)評価:4点
総合満足度5位:ジェットスター・ジャパン(平均6.794点)
ジェットスター・ジャパンを利用している男女97名に総合満足度を10点満点で評価していただいたところ、平均点が6.794点で第5位となりました。
ジェットスター・ジャパンの特徴
ジェットスター・ジャパンは、2004年にオーストラリアで設立されたLCC「ジェットスター」のいわば日本支社で、2012年7月より就航しています。「ジェットスター」は、オーストラリアの航空会社「カンタス航空」の完全出資会社であるのに対し、ジェットスター・ジャパンは日本航空株式会社・豪カンタスグループ・東京センチュリー株式会社の三社が共同出資しています。
「日本の空、世界の空を、もっと身近に。」をビジョンとして掲げているだけに、運賃がとても安いのが特徴です。例えば、成田(東京)-庄内(山形)間が1,990円、成田(東京)-大分(大分)間が4,990円というセール価格で販売されており(2019年12月10日現在)、公共交通手段としては最も安い運賃で利用することができます。
また、こうしたセール情報は、登録制の公式メールにていち早く知ることができるのも嬉しい点です。さらに「最低価格保証」として、ジェットスターでの販売価格が他社のWebでの販売価格より高かった場合、その他社での販売価格の10%引きにて提供してくれるサービスもあり、ユーザーの好評を得ています。
ジェットスター・ジャパンの評価理由
- オーストラリアへ行く時に往復利用したが、大変快適で、客に細かな心遣い、気遣いが嬉しかった。決して上から目線でなく、毛布と言えばさっとすぐに毛布を持って来てくれるし、その時も笑顔を絶やさない姿勢は素晴らしかった。(50代・女性)評価:9点
- サービス関係は普通だが、価格がかなり安くなるときがあり、助かるので。(50代・男性)評価:9点
- 座席の狭さなど多少の不満点はあるが、それを補って余りあるほどの料金とサービスがある。(40代・男性)評価:9点
- 運賃が安いので、コストパフォーマンスが高いです。(20代・男性)評価:7点
- ページが使いにくく、空港での接客も無駄に時間がかかる印象。(30代・男性)評価:3点
その他質問の回答結果
本記事では総合的な満足度についての回答結果とランキングをご紹介しましたが、それ以外の各質問の結果についてもご紹介します。
「予約のしやすさ(わかりやすさなど)」
「予約のしやすさ(わかりやすさなど)」では日本航空の満足度が平均7.515点で1位でした。
「料金」
「料金」ではピーチ・アビエーションの満足度が平均7.928点で1位でした。
「機内サービス」
「機内サービス」では全日本空輸の満足度が平均7.649点で1位でした。
「接客」
「接客」では全日本空輸の満足度が平均7.742点で1位でした。
まとめ
今回の航空会社の調査では「最も満足度が高い航空会社」は「全日本空輸(ANA)」でした。
下記より、レポートのダウンロードが可能です。