【いまや冬の風物詩】節分に恵方巻を食べますか?

「恵方巻」の風習は定着しているのか

年が明けてお正月ムードが薄れてくると毎年、飲食店や小売店による「恵方巻商戦」が始まります。

恵方巻とは、節分の日に恵方(歳徳神がいるとされる方向、吉方)に向かって食べる巻き寿司、またはその風習のことで、その食べ方には「願いことを思い浮かべながら無言で食べきる」「笑いながら食べる」など地域によっても違いがあるようです。

恵方巻を食べる風習はもともと全国的ではなく、関西地方のみでおこなわれているものでした。1990年代から一部のコンビニが、「恵方巻」という巻き寿司を全国販売したことで広まり始めた、比較的新しい風習です。

定着したように見える恵方巻ですが、近年では、各店舗での売れ残りの廃棄についても毎年問題視されるようになってきました。恵方巻は、「生産者側」が考えているほど「消費者側」ではまだまだ一般的な風習ではないのでしょうか。

そこで、どの程度の方が恵方巻を食べるのか調査してみました。

「恵方巻に関するアンケート」調査概要
調査手法 インターネットでのアンケート
※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を始め複数の調査サービスを利用して調査を実施
調査対象者 全国の男女
調査期間 2020年1月24日~1月27日
質問内容 質問1:今年の「恵方巻」について、あなたが最も当てはまるものを選んでください。
質問2:今年の恵方を知っていますか?
質問3:今年の恵方をお答えください。
集計対象人数 1,717人

約5割は恵方巻を食べる

まずは、恵方巻を食べるのか聞きました。
グラフ1-3

今回の調査では、「予約注文する(した)」方が8.3%、予約はしないものの「当日は食べる」という方が39.4%と、合わせておよそ5割の方が、「今年は恵方巻を食べる」という結果となりました。

また、恵方巻を食べる方の大半が「予約注文はしない」との回答でした。予約状況だけでは節分の当日にどれだけの方が購入するかわからないことを踏まえると、生産者側が過剰に供給してしまうのも致し方ないことなのかもしれません。

いずれにしても、半数近くの方がおこなう風習であれば、十分に「一般的な風習」と言えるのではないでしょうか。

ところで、「恵方」をわかっていますか?

さて、およそ半数の方がおこなっている風習「恵方巻」ですが、恵方巻を食べる時は「恵方」を向く必要があります。恵方は「歳徳神がいるとされる方向」とされていて、毎年変わります。
ちなみに2020年は「庚(かのえ)」の方向となり、「西南西のやや西」にあたります。360°式では「255°」の方位です。
この恵方をわかっている方はどの程度いるのでしょうか。

恵方巻を「食べる」という方818名に、まずは恵方を知っているか聞きました。

グラフ2

18.8%の方が「知っている」と回答しました。

続いてその方に、今年の恵方がどの方向であるか答えていただいたところ、次のような結果となりました。

グラフ3

「庚(かのえ)」「西南西のやや西」「西南西」「255°」、以上のいずれかを回答すれば正解としたところ、正解者は74.7%という結果となりました。

不正解だった25.3%の方は、誤った方向を恵方だと思っている状態です。このまま間違った認識でいると、歳徳神様がいない方向を向いて巻き寿司を食べてしまうという残念な結果となりかねないので、節分までに何とか恵方を正しく知っていただきたいものです。

恵方巻は、半数の方がおこなう一般的な風習ではありますが、裏を返せば半数はおこなっていないものでもあります。今後、恵方巻を食べる方が増えることは考えられますが、これまで生産者側の供給過多であったことは否めないので、この点を今一度見直していただき、消費者側が恵方巻を心から楽しめるようになることを切に願います。

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