
コロナ禍で時短要請が続く飲食店、そんなに悪?
ますます進む新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7日夕方、一都三県を対象に緊急事態宣言が再発出されました。
この度政府が定めた基本的対処方針としては、飲食店などを対象に営業時間を午後8時まで(酒類提供は午前11時から午後7時まで)に短縮するよう要請し、応じない場合は営業時間短縮の指示と、店名の公表をするとのことです。
今回は、飲食店の時短営業や営業自粛の要請について、アンケートをおこないました。
調査手法 | インターネットでのアンケート ※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を始め複数の調査サービスを利用して調査を実施 |
調査対象者 | 男女 |
調査期間 | 2021年1月7日~8日 | 質問内容 | 質問1:コロナ禍においては、飲食店は営業時間を短縮すべきだと思いますか? 質問2:利用客が一人で利用する(会話をしない)客のみであっても、飲食店は営業自粛や時短営業をすべきだと思いますか? 質問3:あなたが現在住んでいる都道府県を教えてください。 質問4:その回答の理由を教えてください。 質問5:飲食店を一人で利用することに抵抗を感じますか? 質問6:飲食店を一人で利用することに抵抗を感じる理由、要因などを教えてください。 |
集計対象人数 | 1,600人 |
※各質問の回答の割合は、原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
“おひとり様”のみなら営業自粛や時短は不要、42.6%
まずは、飲食店の営業時間短縮すべきだと思うか聞きました。
「思う」と回答したのは57.4%でした。
およそ6割の方が、飲食店は営業時間短縮すべきと考えているようです。
それぞれの回答の理由を聞いているので、一部を紹介します。
飲食店は時短営業すべきだと「思う」理由
- これ以上コロナウイルスを増やしてほしくない。やるなら中途半端な対策ではなく、徹底的にやってほしい。(30代・男性)
- 4月の緊急事態宣言で一定の効果があったから。(50代・女性)
- お客さんが密にならないような配慮が難しいのなら、時間短縮も仕方がないと思う。(60代・男性)
- 「飲食店に限ってという事ではない」ことを前提に、人々の往来をなくすために必要な処置だと思う。(40代・男性)
- 今が最終決断だと思います。国民すべてが厳しく真面目に自粛すべき。(70代・女性)
飲食店は時短営業すべきだと「思わない」理由
- きちんと感染防止対策をしていれば問題ない。(50代・男性)
- 飲食店が問題なのではなく、飲食する人の態度が問題なのだから、飲食店に犠牲を押し付けるのではなく、飲食する人を諭すべきだと考えるから。(50代・女性)
- お店側は色々と対策を練っていて、これ以上締め上げる事をしたら閉店してしまう。(30代・女性)
- コロナは経済活動を制限しなければならないほどの危険なウイルスだとは思っていないので。(40代・男性)
飲食店の時短営業の必要性について「どちらとも言えない」理由
- そもそも飲食店で感染拡大をしていると思えない。時短にして、その短時間に客足が集中してしまう方がクラスターの可能性が上がると思う。テイクアウト推進するとか、その分の補償をしないと、閉店から密集のデスループが止まらないと思う。(30代・男性)
- お店の規模、状況にもよると思うから。(50代・男性)
- 8時までだと効果はあるか疑問。(40代・男性)
- コロナが広まらないためにはお店を閉めたほうがいいとは思うが、飲食店側の生活もかかっているから。(40代・女性)
4日におこなわれた菅首相の会見によると、「経路不明の感染原因の多くは、飲食によるもの」と専門家に指摘されているそうです。
飲食店では、大勢での会話や料理のシェアなどがおこなわれることが多いためウイルス感染拡大が懸念されますが、では、もしも飲食店を利用するお客さんが“会話や料理のシェアなどをする必要がない「一人で来店するお客さん」”のみであればどうでしょうか。
その場合の時短営業等の必要性についてどう考えるか聞いてみました。
自粛や時短営業をすべきだと「思う」と回答した方が31.4%、一方の「思わない」と回答した方が42.6%となり、「思わない」の割合が「思う」を上回る結果となりました。
こちらも、それぞれの回答の理由を聞いているので、一部を紹介します。
一人で来店する客のみであっても、飲食店は時短営業すべきだと「思う」理由
- 客数や会話の有無で飲食店に差別を設けるのは不公平だから。(60代・男性)
- いろんな人がいる。節度ある行動がとれる人、そうでない人。基準は最悪をとるべし。(60代・男性)
- くしゃみや咳でも感染が広がる可能性ある為(30代・男性)
- 一人ならいいような気もするが、それで確実に感染を防止できるという保証はないから(50代・女性)
- たとえ席に一人ずつでも、トイレに行ったりして、同じドアノブを触るなどして、感染のリスクはないとは言えないから。
(50代・男性)
一人で来店する客のみであれば、飲食店は時短営業すべきだと「思わない」理由
- おひとりさまなら、会話することもないので飛沫も飛ばないし、感染予防対策をしっかりとされている店舗であれば、いいと思います。(40代・女性)
- ランチを食べに行っているが夜に会話をしないで飲むのも問題ないと思う。(30代・男性)
- もし一人で食事することもダメであれば人との接触がすべてダメになる。コロナが発生して1年がたち感染経路は大体判明している。ご飯を食べていようが濃厚接触のない局面であればまず罹患することはない。(40代・男性)
- スーパー等の方がよっぽど不特定多数の人が出入りしている。色々物に触ってるし。対策してれば問題ないと思う。(50代・男性)
- それが認められないなら、他の施設も自粛要請しなければ不公平に思うので。(40代・男性)
一人で来店する客のみの飲食店の時短営業の必要性について「どちらとも言えない」理由
- 一人でいいからといえば、たくさん一人でくるひとが来たら意味ないから。(30代・男性)
- しゃべらない客の定義が不明なため。(30代・男性)
- しゃべらずに一人で食べるだけと言っても、注文や会計する時に会話をするため。営業時間を延長しても感染リスクは変わらないと思います。(20代・女性)
- どこは良くてどこはダメという基準を設けると批判が出てややこしくなりそうだから線引きが難しいし、営業しようと営業スタイルを変えて抜け道を見つけそうだから。(30代・女性)
飲食店は時短営業すべきか。
「思う」という方の中には「“一人ならOK”という例外を作らず、公平に規制したほうが良い」との考えがある一方で、「思わない」という方の中には、飲食店ばかりが規制対象となること自体が既に「例外」「不公平」との考えがあるようです。