【男性の育児休暇】育児休暇を「取得した」男性は4.4%

「育児休暇」を取得したことはありますか?

近年、特に若い世代において「男性の育児参加」が重要であるという考え方が浸透してきています。
1月2日に放送された人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の新春スペシャルでも「男性の育児休暇」がテーマの1つとして挙げられていました。

では、実際に育児休暇を取得した男性はどのくらいいるのでしょうか。

今回は、全国の男女700名ずつ、計1,400名を対象に、「男性の育児休暇」についてアンケートを実施しました。

「男性の育児休暇に関するアンケート」調査概要
調査手法 インターネットでのアンケート
※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を始め複数の調査サービスを利用して調査を実施
調査対象者 男女
調査期間 2021年1月9日~12日
質問内容 質問1:男性は「育児休暇」を取得して良いと思いますか?
質問2:その回答の理由を教えてください。
質問3:現代の日本の社会は、男性が「育児休暇」を取得しやすい環境だと思いますか?
質問4:その回答の理由を教えてください。
質問5:ご自身の職場では、男性が「育児休暇」を取得しやすい環境だと思いますか?
質問6:その回答の理由を教えてください。
質問7:「育児休暇」を取得したことはありますか?
質問8:その回答の理由を教えてください。
集計対象人数 1,400人(男女各700名)

※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。

83.1%が現代の日本の社会は、男性が「育児休暇」を取得しやすい環境だと「思わない」と回答

まず初めに、男性は「育児休暇」を取得して良いと思うかについて聞きました。

「思う」が75.3%で、多くの方が「男性の育児休暇」について肯定的な意見のようです。
それぞれの回答理由を聞いているので一部を紹介します。

男性は「育児休暇」を取得して良いと「思う」回答理由

  • 育休を取ってもらえた方が子どもと関われる時間が増えるし、父親としての自覚が芽生えやすそう。(30代・女性)
  • 父親でも子供を思う気持ちは母親と同じだから、子供を育てるための休暇は許すべきである。(50代・男性)
  • 育児に関して人手や見守る目はいくつあっても困らない。自分自身がワンオペだったので、夫がそのころ休暇を取ってくれたらさぞ助かっただろうと思われる。(40代・女性)
  • 性別に関わらず育児休暇を取れる事が、男女平等につながるから。(50代・男性)
  • 自分の子供を育てるのは当たり前。母親一人だけでは育児とは言い難い。昔は親との同居で子育てもできたが、昨今は核家族で共働きが増えてきた。昔と同じ価値観ではいけないと思うから。(30代・女性)

男性は「育児休暇」を取得して良いと「思わない」回答理由

  • 稼ぎ頭が育児休暇ななど取っていられない。男性は家族を養うのが義務!!(70代・男性)
  • 男女平等の世の中とは言え、育児は女性が母性を発揮して行うことだと思うから。(60代・女性)
  • 育児休暇を取るより稼いできて欲しいし、出世にひびきそうだから。(50代・女性)
  • 取れる状況にないから。(30代・男性)
  • 男性は育児ではなく、仕事をすべきだからです。(20代・女性)

「どちらともいえない」回答理由

  • 家事ができる人なら休んでくれたら凄くありがたいけど、大半の男性が、育児休暇をとっても何の為に休むのかわからない。(30代・女性)
  • まだ育児休暇を大っぴらにとれる環境が整備されていると思えないからです。(60代・男性)
  • 母親がいない場合や共働きしている場合などは取得してもいいかもしれませんが、主に男性が働いていて、女性が家事の事などしてる場合は要らないかなという気持ちです。(30代・女性)
  • 育児は夫婦で協力して行うべきだが、現実問題として、仕事を休んで育児を行うのは難しい。(50代・男性)
  • 基本的には育休取得に賛成ですが、職種や勤務状態によって育休を取れない人もいるはずです。(60代・男性)

続いて、現代の日本の社会は、男性が「育児休暇」を取得しやすい環境だと思うかについて聞きました。

83.1%が「思わない」と回答しました。
8割以上の方は「男性の育児休暇」について、取得しやすい環境が整っているとは思っていないようです。
こちらもそれぞれの回答理由を聞いているので一部を紹介します。

現代の日本の社会は、男性が「育児休暇」を取得しやすい環境だと「思う」回答理由

  • 最近、育児休暇を取り入れる企業が増えてきているから。(20代・男性)
  • 段々社会がそういう風潮になってきている。(50代・男性)
  • 実際に取っている男性が職場にいるから。(30代・女性)
  • 政治家などが取得しているので、一般人も取得しやすいと思います。(30代・女性)
  • 今では職場で積極的な取得を呼び掛けている。(40代・男性)

現代の日本の社会は、男性が「育児休暇」を取得しやすい環境だと「思わない」回答理由

  • その人しかわからない仕事が多く、休暇取得に向けた引継ぎができるような環境ではない会社が多いと思う。(50代・男性)
  • 「男性は仕事・女性は家庭」の固定観念がまだ強い。労働内容や条件も、男性に大きく比重がかかっていて休みにくい。(70代・女性)
  • 休みを取ること自体は出来ても、会社で冷遇されたり出世が遅れたりなどの扱いをされる場合があると聞くから。(20代・女性)
  • 「育児休暇アリ」と書いてある求人すら少ないのに、そこで男性の育児休暇も認めてくれるような会社はほんの一握り以下だと思うから。大企業くらいなものだと思う。(30代・女性)
  • コストを削減する為、ほとんどの現場はぎりぎりの人員で行っている。一人の休暇は他の職員の負担となる。それが暗黙の足かせとなっている。(60代・男性)

「どちらともいえない」回答理由

  • 日本の歴史を考えた場合、まだまだ男性の育児に関してはよほどの理由(母親が体調を崩しているとか)がない限り難しいと思う。男は仕事、女は家事・子育ての考えが強く染みついているから。また、そうであって欲しいと考えるから。(60代・女性)
  • うちは取ってくれなかったし子供が嫌いと言われていたから最初から取ろうともしてくれなかった。(40代・女性)
  • 会社の規模によって環境が違うので、一概に取りやすいとは言えない。(60代・男性)
  • 休暇が取れるかは世帯収入などにもよるので、環境的なものだけが理由にならないと思うからです。(40代・女性)
  • 環境もありますが、人によるところもあると思います。比較的回りに何を言われても大丈夫とか、自分が率先して…みたいな性格の方なら育児休暇をとりやすいとは思いますが……。(30代・女性)

続いて、事前調査で「仕事をしている」と回答した899名を対象に、自身の職場では、男性が「育児休暇」を取得しやすい環境だと思うか聞きました。

「思わない」が最も多く53.9%、「思う」は15.5%、「どちらともいえない」は30.6%でした。
こちらもそれぞれの回答理由を聞いているので一部を紹介します。

自身の職場では、男性が「育児休暇」を取得しやすい環境だと「思う」回答理由

  • 皆、協力的です。シングルだからかもですが、出産控えた奥さんいる同僚はシフトでだいぶ助けて貰ってました。(40代・男性)
  • 制度があり、実際に使う人もいる。(40代・男性)
  • 上司の理解があるから。(30代・女性)
  • 医療機関で女性が多いし、上司も女性だから。(50代・男性)
  • 男性の育休取得率を公開して取得率を上げるよう呼びかけているから。(30代・女性)

自身の職場では、男性が「育児休暇」を取得しやすい環境だと「思わない」回答理由

  • まだまだ女性がとるものと思われ、社内でも制度が整っていない。(30代・女性)
  • スタッフが少ないので、具体的に育児休暇を取られると困るから。(60代・男性)
  • 昇進等を考慮すれば、育児休暇で仕事につかない期間はないほうがよい。成果主義の企業であれば、成果の上がっていない期間があれば昇進等へ影響するため、なかなか育児休暇があったとしても取りにくいのではと思う。(70代・男性)
  • 体調不良で休暇を取るのさえ嫌味を言われる、もしくは休暇を取らせてもらえなかったりする職場で、長期休暇イコール退職という風潮がある。(50代・女性)
  • 就業規則では取ってよいことになっていても、上司を含め周りが男性の育児休暇に理解を示してる雰囲気がないから。(50代・男性)

「どちらともいえない」回答理由

  • 実績はあります。男性からの理解はないです。規則的にOKなだけ。(50代・女性)
  • 自営業のため、時間は自由な面はあるが、収入がないと生活が成り立たないから。(60代・男性)
  • 制度はあるが当該休暇の取得者はまだ少ない。(50代・男性)
  • 休めても、その後の評価に暗黙的に影響する。(50代・男性)
  • 過去に申告した人はいないが、否定しない雰囲気はある。(50代・男性)

最後に、事前調査で「子供がいる」と回答した812名を対象に、実際に「育児休暇」を取得したことがあるか聞き、男女別に集計しました。

女性は21.4%の方が育児休暇を「取得した」と回答したのに対し、男性で育児休暇を「取得した」方はわずか4.4%でした。
男性で育児休暇を「取得した」と回答した人からは、「たった2週間だったが、家族間の相互理解を深めるために自分で希望して取得した。育児や家庭の仕事がいかに大変なことか実感できた」「両親が離れて暮らしており、母子を手助けする方法がほかになかったので」などの意見がありました。

また、女性でも71.4%の方は育児休暇を「取得しなかった」と回答していました。
女性で育児休暇を「取得しなかった」と回答した人からは、「妊娠中に長期入院し、急遽仕事を休むことになり、戻りにくくなった」「育休を取れる環境ではなく、辞めざるを得なかった」という意見がありました。

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