
「デジタル教科書」の本格導入について、あなたはどう思いますか?
文部科学省は、「デジタル教科書」の本格導入に関する中間まとめの骨子案を有識者会議に示しました。
小学校教科書が次に改訂される2024年度を、デジタル教科書本格導入に向けた最初の契機と捉えるべきだとし、骨子案には「紙とデジタルの併用とする」など5案が盛り込まれています。
全国の皆さんは、小中学校への「デジタル教科書」の本格導入に対してどのように考えているのでしょうか。
今回は、全国の男女各600名、計1,200名を対象に、「教科書」についてアンケートを実施しました。
調査手法 | インターネットでのアンケート ※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を始め複数の調査サービスを利用して調査を実施 |
調査対象者 | 男女 |
調査期間 | 2021年1月31日~2月1日 | 質問内容 | 質問1:「デジタル教科書」の本格導入について、あなたはどのような考えですか? 質問2:その回答の理由を教えてください。 質問3:現在、「デジタル教科書」の導入案として検討されている中で、「デジタル教科書」を本格導入する場合、最も適切だと思うものを選んでください。(デジタル教科書の本格導入に「賛成」の方) 質問4:その回答の理由を教えてください。 |
集計対象人数 | 1,200人(男女各600人) |
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
デジタル教科書の本格導入に「賛成」は38.3%
まず初めに、「デジタル教科書」の本格導入について、どのように考えているか聞きました。
「賛成」は38.3%でした。
最も多かったのは「どちらとも言えない」で44.0%でした。
デジタル教科書の本格導入に対して、賛成派が反対派を上回る結果となりましたが、「どちらとも言えない」方も多いようです。
それぞれの回答の理由についても聞いているので、一部を紹介します。
デジタル教科書の本格導入に「賛成」回答理由
- 今の時代、デジタルが当たり前でもあるし、パソコンやタブレットでの学習なら効率も良いと思う。(40代・女性)
- デジタル化が進む世の中なうえ、学生の教科書の量の多さが問題で肩凝りや腰痛などの健康被害が出ているため、全て1つの端末に収まると荷物の削減や経済的にも削減されるのではないかと考えたから。(10代・女性)
- 持ち歩く荷物が軽くなる。教科書の内容改定があった場合に迅速に対応できそうだから。(40代・女性)
- 教科書に限らないが、文字情報・図画情報等はデジタルリソースとの相性はよいので、頻繁に改訂が必要などは、デジタル化して配布する方が、紙媒体で行うよりずっと効率的かつ省資源・省コストにつながるから。(60代・男性)
- 世界的に見て、日本のデジタル化が遅れている中、デジタル化を推し進める必要がある。教育の場で推し進めるのは、ぜひとも必要である。(70代・男性)
- デジタルだと常にキレイな画質で見ることができたり、教科書の忘れ物が無くなるからいいと思います。(40代・男性)
デジタル教科書の本格導入に「反対」回答理由
- 物事を習得するにあたっては紙書籍の方が有効であると思うこと、および目の健康への影響を懸念します。(50代・男性)
- やはり自分で大事な部分に線を引いたり、書き込んだりして覚えた方が、身に付くのではと考えています。(30代・女性)
- 通信トラブルがあった場合、使用できないから。(40代・男性)
- 私の見解ですが、デジタル教科書を使用した授業より、紙の教科書の方が子供たちは、じっくり勉強する時間がつくれると思うから。デジタル教科書より紙の教科書の方が分からない部分ともしっかり向き合える気がする。(30代・女性)
- 荷物が軽くなっていいけど、全員にネット環境があるとは限らない。(50代・女性)
デジタル教科書の本格導入に「どちらとも言えない」回答理由
- 子ども達の荷物が軽くなるし、時代の流れとして良いのかもしれないが、ネット環境の格差やスマホ(タブレット)の使いすぎによる老眼などが問題になっていることが心配でもある。(50代・女性)
- ペーパーレス化はいいと思うが、色々と書き込みたいときにはどうなのかな?(40代・女性)
- 紙も電子も良し悪しがあるため、選べません。(20代・男性)
- IT社会になりつつあるので、小さい頃からデジタル機器に触れるのは良い事。だけどその分目が悪くなりそう。(20代・女性)
- 紙の教科書は見易いがゴミになったり、デジタルの教科書はスマートだが不便な気がして、それぞれ一長一短があると思うから。(70代・女性)
では、2024年以降、デジタル教科書本格導入される場合に対象となる、「小中学生」のお子さんを持つ方たちはどのように思っているのでしょうか。
事前調査で「現在、中学生以下の子供がいる」と回答した193名に限定して集計すると、このようになりました。
「賛成」が46.6%で最も多くなりました。
現在、文部科学省がデジタル教科書の本格導入案として示しているのは「全てデジタルに変更」「全て、または一部の教科で紙とデジタルを併用」「一部の学年・教科にデジタルを導入」「地域や学校ごとに紙かデジタルか選択」「全教科デジタルとし、必要に応じて紙を貸与」の5案です。
最後に、デジタル教科書の本格導入に「賛成」と回答した38.3%(460名)の方に、上記5案と「その他」の中で、デジタル教科書を導入する場合、最も適切だと思うものを選んでもらいました。
結果はこのようになりました。
最も多かったのは「全て、または一部の教科で紙とデジタルを併用」で42.2%、次いで「全てデジタルに変更」で27.8%でした。
それぞれ選んだ理由も聞いているので、多かった二つの導入案についての理由を一部を紹介します。
デジタル教科書を本格導入する場合「全てデジタルに変更」回答理由
- 必ずしも紙がいいとは限らないから、徹底的にデジタルにした方がいい。それが普通になる時代がくるから。(40代・女性)
- 無駄な時間が減るから良いんじゃないかなと思う、線とか引くためのカラー線の設定とかは必要になってくるけど、それも出し入れ・片付けする必要がないから良いと思う。(30代・女性)
- 併用は混乱するだけ全てデジタルに統一すべきである。(70代・男性)
- 環境問題が深刻なのでデジタル教科書にした方が良いと思う。(30代・女性)
- 紙より持ち運びやすく、保存にスペースも取らない。(70代・男性)
- 紙で出力することに特段意味を感じられないから。(40代・女性)
デジタル教科書を本格導入する場合「全て、または一部の教科で紙とデジタルを併用」回答理由
- デジタルのみで対応出来る教科と出来ない教科があると思うから。(40代・女性)
- 漢字などは書くことで覚えるのでペーパーが必要。(40代・女性)
- 基本はデジタルで、それ以外で紙がいいものは紙と分けたほうがいい。(50代・女性)
- プリントした方が見やすい場合もあるし、本の良さもわかってほしいから、一部本やプリントも残してほしい。(40代・女性)
- 一度に変更して、成功するのかが不明確。(60代・男性)
- PCだけでは文字が書けなくなる。(70代・男性)
- デジタル化が子どもの視力にどの程度影響を及ぼすかわからないため、併用が望ましいと考える。(40代・女性)