
施設によって休業要請などの措置に差があることについて、どのように思いますか?
緊急事態宣言の延長に伴い、政府は映画館などの施設に対しての「休業要請」を「時短営業」に見直しましたが、東京都は独自に休業要請を維持しています。
しかし、この都独自の休業要請について、施設によって違いがあることが話題となっています。
「劇場等」に区分される施設のうち、映画館や美術館などは「休業要請」が維持されていますが、演芸場やイベントなどは条件付きで「営業可」となっています。
このように、施設によって休業要請などの措置に差があることについて、全国の皆さんはどのように感じているのでしょうか。
今回は、全国の男女2,500名を対象に、都独自の休業要請についてアンケートを実施しました。
調査手法 | インターネットでのアンケート ※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を利用して調査を実施 |
調査対象者 | 男女 |
調査期間 | 2021年5月14日~18日 | 質問内容 | 質問1:休業要請などの措置に差があることについて、どのように思いますか? 質問2:その理由を教えてください。 |
集計対象人数 | 2,500人 |
都が独自に出した休業要請について、施設によって差があることが「理解できない」のは76.6%
まずは、施設によって都独自の休業要請の措置に差があることについて、どのように思うか聞きました。
76.6%の方が「理解できない」と回答しました。
施設によって差があることについて、「理解できない」という方のほうが多いようです。
「理解できる」「理解できない」と回答した方に、それぞれの回答の理由についても聞いたので一部を紹介します。
「理解できる」回答理由
- 行った場所がどうより、今行くべきかを考えると後回しにできるものは後回しにした方がいい。(40代・男性)
- 映画館や美術館はいつでも上映しているけどイベント事などはその時限定だから。(10代・女性)
- クラスターになるおそれがあるところとそうでないところがあるとおもうから。(50代・女性)
- 映画館などは従業員のみの休業になるがイベントなどは従業員以外に有名人を呼んだりするためその違約金が発生することもあるのではないかと思う。(50代・男性)
- 映画館は換気が難しいことと、美術館は座席が与えられていないので、人の動きがあるため空気感染しやすくなってしまうから。(60代・女性)
- いつまでも全部の店舗を閉めてても仕方がないので。(20代・女性)
- 演芸場とかは一回で全ての人を入れ替える、美術館などは1日中入れかえなく新しく人が入って来る、感染率から考えると納得が出来る。(70代・男性)
- 映画館とかは飲食も可能でマスクをつけてない人もいるので仕方ないと思う。(20代・女性)
「理解できない」回答理由
- むしろ映画館や美術館の方が演芸場やイベントよりリスクが少なそうに感じる。逆の方が理解できるレベル。(30代・女性)
- 映画や美術館のほうがしゃべらずに黙って鑑賞していると思うから。演芸場で演者はマスクしてるんですかね?イベントも観客が興奮したらルール違反が出るように思いますが。(60代・男性)
- そもそも映画館や美術館は喋るところでは無いので、野球観戦や飲食店が許されていることを考えると、措置として適切ではないのではないかと思う。(20代・女性)
- どちらも観客が同じようにいるはずであるので対応は、同じ処置であるべき。(70代・男性)
- 感染対策をやっているかどうかが1番問題、このままだと特定の業種いじめになってしまう。(60代・男性)
- 両者にさほど違いが無く、どちらも感染症対策はキチンと出来ていると思うので、線引きの科学的根拠をハッキリと示して欲しいから。(70代・男性)
- 映画館での感染を聞いたことがなく、又、コロナ感染防止策もしている中で休業は、かわいそう。映画鑑賞では会話もないので、入場制限化で、営業許可を出してもよいと思う。(70代・男性)
- いずれも人の集まる条件は同じように思もえるので区別がわからない。(60代・男性)
- どちらも同じどころか、映画館のほうが声を出す機会が少なくリスクが低いと思えるから。(50代・男性)
- 違いがよくわからないし、一律休業にした方がいいと思う。(30代・女性)
- オリンピックは絶対に開催すると言うのに大声を出さない場所を休業にするのは納得が行かない。(70代・女性)
「理解できる」という方からは「映画館は飲食ができるからリスクが高い」「映画館や美術館はいつでも行けるが、イベントはその時限定だから」という意見がありました。
また、「映画館は換気が難しい」と考えている方もいるようですが、全国興行生活衛生同業組合連合会が行った実験によると、「映画館の空気は20分で入れ替わる」という結果が出ており、すべての映画館ではないかもしれませんが、換気が難しいというわけではないようです。
「理解できない」という方は「基準が分からない」「むしろ映画館や美術館のほうが無言で観れるためリスクが低い」という意見が挙げられていました。
今回の調査では、施設によって都独自の休業要請の措置に差があることについて、「理解できない」という方のほうが多いという結果になりました。
「理解できない」と回答した方の中でも施設の営業に関する考えは異なっており、「映画館や美術館のほうがリスクが低いから逆にしてほしい」という方や、「どちらもリスクは一緒だから一律営業可にしてほしい」という方、逆に「一律休業にしてほしい」という方もいました。
また、見たい映画があるが都内の映画館では見れないため仕方なく隣県の映画館に行くという事例もあるようです。
感染リスクを考えると、東京都の休業要請措置は果たして適切なのか、疑問が残ってしまいます。