クレジットカードのキャッシングとは現金を借りられるサービスのこと。
「キャッシング枠を0円にするとクレジットカードの審査に通りやすい」といわれていますが、キャッシング枠を希望するとなぜクレジットカードの審査が厳しくなるのでしょうか。
そこで今回は、キャッシング枠とは?という疑問を解消しながら、キャッシングのメリット・デメリットや、学生や未成年でもキャッシング枠は持てるの?という点についても分かりやすく解説していきます。
目次
クレジットカードのキャッシング枠とは?
クレジットカードのキャッシングとは、現金を借りられるサービスで、キャッシング枠とは借りられる金額のことを言います。
キャッシング枠の付帯の仕方は以下となり、クレジットカードによって異なります。
・後から追加するもの
・一切付けられないもの
たとえば学生向けのクレジットカードには、無計画な利用を抑えるためにキャッシング枠が付けられません。原則無担保で保証人も必要がなく、使い道も問われません。
そのため急に現金が必要になった時にキャッシングは手軽に利用しやすい特徴がありますが、金利と手数料はかかるので計画的に利用しましょう。
ATMや銀行でお金を借りることができる
キャッシング枠を設けると、クレジットカードを使ってお金を借りることができるようになり、コンビニや銀行、郵便局のCD・ATMでキャッシングが可能です。
お金を借りると当然利息(金利手数料)が発生するので、カード会社の収入源にもなっています。
金利は年15%~18%程度
キャッシングの金利はおよそ年15%~18%程度となり、返済方法は一回払いやリボ払いでカードのショッピング枠の利用分と合わせて自動引落となるのが一般的です。
キャッシング枠は多くのクレジットカードで利用できますが、カードを作る時には「0円(なし)」にして申し込むこともでき、キャッシング枠を付けずにカードを申し込んだ場合も、後から審査を受けて付けることもできます。
キャッシング枠の限度額はショッピング枠の中に含まれている
ショッピング枠とキャッシング枠は機能面では別々の枠ですが、キャッシング枠の限度額はショッピング枠の中に含まれているという点には注意が必要です。
利用限度額が80万円の例
キャッシング枠で30万円利用=50万円までショッピング可能
上記のようにキャッシング枠の利用によってショッピング利用できる枠が狭くなります。また、ショッピング枠の方が優先されるので、ショッピング枠で80万円を使い切った場合、キャッシング枠は0円になるのです。
このように、ショッピング枠とキャッシング枠はお互いの残枠に影響を与えるので、利用する際はバランスを考慮しましょう。
キャッシング枠を0円にするとクレジットカードの審査に通りやすくなる
キャッシング枠を希望すると審査が厳しくなる理由は、キャッシング利用による利息や返済増顎が懸念されるため、クレジットカード会社側のリスク度合いが高くなってしまうからです。
キャッシング枠を希望するとショッピング枠のみの場合と比較して厳し目の審査システム(審査スコアリングモデル)で審査されてしまいます。
そのため、キャッシング枠を0円にするとクレジットカードの審査に通りやすくなります。
収入がない専業主婦や無職の方はキャッシング枠を持てない
前述のように、貸金業法の「総量規制」の対象となるキャッシング枠は収入のない方は持てません。
楽天カードの場合も「お勤めではない専業主婦や無職の方はキャッシング枠付与の対象外となっています」と公式サイトに明記されてあります。
主婦であってもパートやアルバイトなどでコンスタントに収入があれば、キャッシング枠を持つことが可能です。
学生や未成年でもキャッシング枠は持てる?
基本的に、クレジットカードは申し込み資格が「高校生を除く満18歳以上の方」となっているため、18歳未満の方や高校生はカードを持つことができませんが、高校を卒業した18歳以上の方であればクレジットカードやキャッシング枠を持つことができます。
ただし、社会人のように高額な利用はできず、キャッシング枠も多くの場合は最高10万円程度で設定されるという点は頭に入れておきましょう。
他社からの借り入れは「個人信用情報機関」に記録されている
クレジットカードを新規発行するとき、他社からの借り入れがある状態でキャッシング枠を希望する方もいるでしょう。
「他社からの借り入れは自己申告だから嘘を書いてもバレない」ということはありません。
他社からの借り入れは、個人信用情報機関という専門の機関にカードやローンの利用履歴(クレヒス)が記録されていて、クレジットカードを申し込むとカード会社がチェックするため、嘘を書くとバレて審査落ちしてしまいます。
審査に通りやすいようにと嘘を書くと逆効果になる恐れもあるので要注意です。
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キャッシング枠はいらない?メリットを解説!
クレジットカードのキャッシングサービスはとても手軽で便利です。
どのようなメリットがあるのか解説していきます。
- ポイントがもらえるキャンペーン
- すぐに現金が借りられる
- 海外でも現金が借りられる
ポイントがもらえるキャンペーン
クレジットカードを新規発行する際はキャッシング枠やリボ払いを設定することによってポイントキャッシュバックキャンペーンを行っているカード会社も多いです。
例えば、楽天カードの場合は新規入会時にキャッシング枠を『希望ご利用可能枠』5万円以上で希望すると1,000ポイントがもらえるキャンペーンがあるなど、キャッシング枠を希望することで多くのポイント獲得が見込めます。
すぐに現金が借りられる
持っているクレジットカードにキャッシング枠が備わっていれば、ATMやインターネットですぐに現金が借りられます。
ATMはもちろんそのまま現金を手にでき、インターネットは指定した銀行口座に現金を振り込んでくれます。借り入れの手続きが不要なのでとても手軽に利用できます。
ATMでの利用は3分ほどでできます。
- クレジットカードをATMに挿入
- 暗証番号を入力
- 借り入れしたい金額を入力
銀行口座からお金を引き出すように利用できるのがメリットです。
パソコンやスマートフォンを使ってホームページから指定の銀行口座に入金してもらえるクレジットカードもあります。金融機関営業時間内であれば即日の入金も可能なので、突然の出費でも対応しやすいです。
海外でも現金が借りられる
海外では、屋台や古いお店などクレジットカードが利用できないところが意外と多いです。
海外キャッシングのできるクレジットカードを持っていれば、海外にあまり現金を持って行っていなかったり、現金の使用頻度が高くなっても安心です。
もちろん海外のATMからキャッシングを利用するときは現地の通貨が借りられます。両替する手間はありません。
しかし、海外キャッシングを利用するには事前に申請が必要なので注意しましょう。
またすべてのクレジットカードにこのサービスが付いているわけではありません。海外に行く予定があるのであれば、事前にお持ちのクレジットカードが海外キャッシング対応かどうか調べておくとよいでしょう。
最近ではインターネットからキャッシングで借りたお金を返済できるカードもあるので、長期間の旅行でも金利手数料を気にする必要はありません。
もし、クレヒスや収入に自信があれば、キャッシング枠を希望してみるのも良いでしょう。
キャッシング枠はいらない?デメリットを解説!
便利なキャッシング機能ですが、デメリットもあります。
デメリットは下記のとおりです。
- 金利が高い
- 安易に借り入れできてしまう
それぞれ解説していきます。
金利が高い
クレジットカード会社によって違いますが、キャッシングは金利が高いのがデメリットです。
キャッシングの金利は一般的に15~18%に設定されています。そして100万円未満の使用だと金利はほとんどのクレジットカードで年18%です。しかしこれはすべて法律で決まっているのです。
借入金額による金利の違い
100万円未満だと18%
10万円未満は20%
利息制限法という法律によって上限金利が定められており、20%を上限で設定できることになっています。
月々の利息計算は以下の計算式で求めることができます。
月々の利息計算
10万円借りた場合:100,000×0.18÷365×30=1479円
30万円借りた場合は月に4,400円程度の金利支払いが必要になり、借入金額が上がるほど月に支払う金額も高くなります。
安易に借り入れできてしまう
キャッシングは銀行口座からお金を引き出すように簡単に借り入れができてしまいます。
それがメリットである反面、無計画に使用してしまいやすいのがデメリットともいえます。
ここぞという時にだけ利用するという強い意志があればよいのですが、一度その手軽さに触れてしまうと何度も繰り返してしまいがちです。
キャッシング枠をなくしたい場合は解約手続きが必要
キャッシング枠が不要であれば、クレジットカードの担当者に連絡して枠をなくす手続きをしましょう。サポートセンターに連絡をいれればすぐに対応してもらえるはずです。
クレジットカード会社によってはホームページの会員サイトからキャッシング枠をなくす手続きが可能なところもあります。電話が苦手な方や解約を伝えるのが苦手な方は、会員サイトで手続きを済ませてしまいましょう。
他の借り入れの影響
キャッシング枠があると住宅ローンや車のローンにも影響を及ぼす可能性があります。
キャッシングは「借り入れ」なので、利用していなくても借金を作る可能性のある人とみなされてしまうのです。
キャッシング枠はいらないと思ったけど、後から追加したくなったらどうする?
キャッシング枠が初めから設定されていなかったり、1度なくしたけれど再度追加したくなったりした場合はどうしたらよいのでしょうか。その場合はクレジットカードに申請をしてください。
そしてクレジットカード側でキャッシング枠を付けてもよいかの審査があります。再申請の場合も前の状況と変わっていることがあるので再び審査をしなくてはいけません。
会員ページ等インターネットで申請すると早い
キャッシング枠の再申請は、クレジットカードの会員ページで申し込みができます。
会員ページだと24時間いつでも申し込めるので便利。
申し込みから審査までが早く進み、融資可能上限額と金利が確認できるようになります。
必ずキャッシング枠が復活するわけじゃない
1度キャッシング枠を付けたことのある人でも、信用情報の状況が変わっていれば審査が通らない場合があります。
クレジットカード会社では顧客の信用情報を開示して返済能力がある人物か慎重に審査します。
ショッピング枠の使用状況も見られる
もちろん、クレジットカードのショッピング枠使用状況も審査の対象です。
上限額ぎりぎりまで使っていないか、支払いが滞りなく行われているかはとても大切な信用情報です。
他のクレジットカードの使用譲許も同様に影響します。
延滞中は審査が通らない
延滞中であればキャッシング枠は復活しません。キャッシング枠を申請するクレジットカードと別のカードが延滞中でも影響するので注意してください。
信用情報にはあらゆるカードの利用状況が登録されています。この場合は延滞分を精算してからキャッシング枠の申請を検討しましょう。
キャッシングとカードローンの比較
キャッシングとカードローン、両社ともお金を借りるという点で似通っていますよね。
キャッシングは手軽にお金を借りることができる印象で、カードローンはまとまったお金を借りるため手続きに時間がかかる印象です。
それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
- キャッシングの特徴
- カードローンの特徴
キャッシングの特徴
キャッシングの特徴は次の通りです。
・紛失したり盗難に遭ったり悪用される心配がある
限額はショッピングと併用
まず「上限額はショッピングと併用」という点です。クレジットカードのキャッシングは仮つことのできる上限の額が決まっています。
しかしそれは、クレジットカード全体の上限のうちのキャッシング枠となります。キャッシングを多く利用してしまうとショッピング枠も圧迫して、いざという時に使えないかもしれません。
紛失したり盗難に遭ったり悪用される心配がある
そして「紛失したり盗難に遭ったり悪用される心配がある」という点です。
クレジットカードは、カードとして持ち運んでいますよね。その分落としてしまったり、盗難に遭ったりという心配があります。落としてしまった場合でも拾った人が悪意のある人であれば、勝手にキャッシングを使用するなど被害に遭ってしまうことも考えられます。
カードローンの特徴
カードローンの特徴は以下の通りです。
・高額借り入れも無理のない返済ができる
無利息サービスや低金利のものがある
まず「無利息サービスや低金利のものがある」という点です。基本的にキャッシングよりもカードローンの方が金利は低く設定されています。
そして消費者金融のカードローンであれば、金利はクレジットカードのキャッシングと変わりありませんが無利息サービスというものがあります。
これは初回利用時のみ30日間無利息でお金が借りられるというサービスです。来月になればすぐ返済できるという人は、キャッシングで金利が付くよりも消費者金融のカードローンの方が無利息で借りられるのでお得です。
高額借り入れも無理のない返済ができる
そして「高額借り入れも無理のない返済ができる」という点です。クレジットカードのキャッシングは、上限額をショッピング枠と併用しなくてはいけません。
そのためキャッシングは少額の利用には向いていますが、高額の利用には向いていません。まとまったお金を借りて無理のない返済をしたいのであれば、カードローンがおすすめです。
キャッシング枠は基本使わないのがベター
クレジットカードのキャッシング枠は、その手軽さが無計画な利用を助長してしまっているともいえます。キャッシングは借り入れなので、借金をしているという感覚でやむを得ないときの利用に留めましょう。
また、キャッシングの利用よりもカードローンの方がお得な場合もあります。どうしても現金が必要になった場合は、どちらの方がメリットが大きいのかを考え、借り入れを検討しましょう。
審査が不安な方におすすめのクレジットカード
クレジットカードの中には、他社とは異なる独自審査を行っているカードがあります。
Tカード プラス(SMBCモビットnext)
Tカード プラス(SMBCモビットnext)は、SMBCモビットと三井住友カードが提携した年会費無料のカードです。
このカードは通常のクレジットカードとは異なる審査基準の「消費者金融系カード」に含まれます。
現在の収入を重視
一般的なクレジットカードは過去の支払い実績や現在の職業などから「お金に困っていない人」を評価しているのに対し、消費者金融系カードは「お金に困っている人」を対象にして発行しているカードなので、クレジットヒストリー(過去の支払い実績)よりも現在の収入を重視してくれます。
同じ消費者金融系カードのACマスターカードと違い、ETCカードも発行可能なので「クレジットカードが作れないのでETCカードが作れない」という方にもおすすめです。
Nexus Card
Nexus Card
カードの特徴
本人認証サービス(3Dセキュア)に対応しているのでネットショッピングなども安心。3Dセキュア対応の電子マネーチャージもできる。利用限度額分を前入金するデポジット型カードで、5万円~200万円 保証金(デポジット)と同額で設定可能。審査が不安な方でも申し込みできる
発行会社 | Nexus Card |
---|---|
ポイント還元率 | 0.5 |
年会費 | 発行手数料:550円(税込) 年会費:1,375円(税込) |
付帯保険 | - |
電子マネー・スマホ決済 | - |
ポイント | Nexusポイント |
申し込み条件 | 18歳以上の方で、安定した収入のある方 |
追加カード | - |
Nexus Cardはカード発行時に利用限度額分を支払う(預ける)デポジット型カードとなっています。
デポジット金額は、支払いの滞納などがあると利用される金額で、カード会社側も万が一の時はデポジットが使えるのでカード発行に心配が少ないのが特徴です。
前提として審査が不安な方に向けたカードとなっており、過去に借り入れがある方でも申し込めるカードです。
審査の専門家のコメント
この記事では、キャッシング枠とショッピング枠の違いを説明しています。
キャッシング枠とはクレジットカードを使ってお金を借りることができる枠のことです。このキャッシング枠を0にするとクレジットカードの審査に通りやすくなりますと書いてあります。
理由としては、キャッシング枠は貸金業法という法律にも関わることにもなる為、入会審査が厳しくなるということでした。
但し、銀行のカードローンや住宅ローンは貸金業法の総量規制対象外となっているという説明もあります。
また、収入のない専業主婦や無職の方はキャッシング枠を持てないという点、それに対して学生、未成年はキャッシング枠を持つことが出来ますと解説されています。
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監修者コメント
どうしてもキャッシング枠を付けてクレジットカードを作成したいという方には次の様な方法があります。
1)ショッピング枠のみでクレジットカードを申込む
2)1回払を数ヶ月続ける(もちろん、支払い遅れ等は起こさないで下さい)
出来れば、6ヶ月は続けて下さい。
3)キャッシング枠を付けてもらえる様にクレジットカード会社へ依頼
1回払でしっかり支払っている実績があれば、クレジットカード会社内での社内基準が通りやすくなりますので、キャッシング枠を付けてもらえる可能性が高くなります。
また、初めて申込みをしてくる方の審査と既にクレジットカードの取引がある方の審査は部署が違い、更にシステムも違うということもありますので、この方法は有効です。