医師の不動産投資【2026】勤務医・開業医で異なる考え方と相談先の選び方

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医師は不動産投資の文脈でよく取り上げられる職業です。収入水準が高く、金融機関からの評価も得やすい。だいたいそうした説明がされます。

ただ、この説明は医師をひとまとめにしています。病院に勤める勤務医と、自身で医院を経営する開業医とでは、収入の構造も、税負担のかたちも、金融機関から見たときの立ち位置も違います。検討を進めるうえで引っかかるポイントも、そこに応じて変わってきます。

この記事では、勤務医と開業医を分けて、それぞれどんな前提で考えることになるのかを整理します。あわせて、多忙な勤務のなかで相談をどう進めるか、相談先を選ぶときに見ておきたい点にも触れます。

目次

  • 医師と不動産投資の相性
  • 勤務医と開業医で異なる前提
  • 税務上の扱いについて
  • 相談をどう進めるか
  • 相談先を選ぶときの確認ポイント
  • まとめ
  • 監修者

医師と不動産投資の相性

医師がこの文脈で挙げられる理由は、大きく2つに整理できます。

ひとつは、収入水準です。給与所得が高い水準にあると、累進課税により税負担も重くなります。所得の一部を別の形で扱えないかという関心が生まれやすい構造にあります。

もうひとつは、金融機関からの評価です。国家資格に裏付けられた専門職であり、需要が景気に左右されにくい。長期のローンを前提とする投資と、期間の面で噛み合いやすい立場だといえます。

ただし、これは条件が良くなることを保証するものではありません。融資の判断は職業属性だけで決まるものではなく、勤続年数や既存の借入、物件そのものの評価をあわせて見られます。開業医であれば、医院の開設にともなう借入が既にあることも珍しくなく、その状況によって判断は変わります。

また、条件が整いやすいことと、いま始めるべきかどうかは別の話です。開業を控えているのであれば、そちらの資金計画が優先されます。ライフステージのどの段階にいるかによって、答えは変わってきます。

監修者コメント|勝治 寛氏

「医師は有利」という前提だけが先に立っているケースは少なくありません。有利に働きやすい要素があるのは事実ですが、それは物件を選ぶ基準とは別のものです。条件が整いやすい立場だからこそ、物件そのものを見ていただきたいと思っています。

勤務医と開業医で異なる前提

同じ医師でも、置かれている条件は立場によって変わります。おおまかに整理すると、次のようになります。

収入の構造 経費計上の余地 金融機関から見た属性 時間の制約
勤務医 給与所得が中心。当直手当・非常勤先の報酬が加わる場合がある 給与所得控除の範囲内にとどまり、個別の経費計上は限定的 勤務先の規模や勤続年数が評価に影響しやすい 当直・夜勤・急患対応により不規則になりやすい
開業医 事業所得。法人化していれば役員報酬 事業経費として計上できる範囲が広く、既に対策を講じている場合が多い 医院の借入状況や事業の収支があわせて見られる 診療時間は読みやすいが、経営業務が加わる

この違いは、2つの場面で効いてきます。

ひとつは、何を目的に検討するかです。勤務医は給与所得が中心で、経費として計上できる範囲が限られます。そのため、所得の扱いに関心が向きやすい傾向があります。一方、開業医は事業のなかで既に一定の対策を講じていることが多く、そこよりも資産の分散や、事業とは別の収入源をつくることに関心が向かうことがあります。

もうひとつは、物件の管理をどうするかです。勤務医は異動や転勤の可能性があり、非常勤先を複数持っていることもあります。開業医は同じ地域に長く留まる一方、経営業務が加わって時間の余裕は限られます。いずれの場合も、自分で入居者対応をおこなう自主管理は現実的でなく、管理会社への委託が前提になります。

なお、ここで整理したのは一般的な傾向です。実際の状況は、診療科や勤務先、開業からの年数によって大きく異なります。

監修者コメント|勝治 寛氏

勤務医の方と開業医の方とでは、ご相談の入り口がはっきり違います。ただ、どちらの場合も最終的に確認していただくのは、物件が長期にわたって借り手のつく場所にあるかどうかです。そこは立場を問いません。

税務上の扱いについて

不動産投資が税務の文脈で語られることは多いのですが、この領域は個別性が高く、一般的な説明をそのまま当てはめられる性質のものではありません。

画像②/損益通算の概念図

前提として、不動産所得が赤字になった場合、給与所得などと損益通算できる仕組みがあります。減価償却費を計上することで会計上の赤字が生じ、結果として課税所得が圧縮されるという説明は、この仕組みを指しています。なお、減価償却費は実際に現金の支出を伴うものではなく、帳簿上で経費として計上されるものである点には注意が必要です。

また、経費として計上できるのは減価償却費だけではありません。管理費や修繕費、保険料、借入金利子(建物部分)、固定資産税、税理士への報酬なども不動産所得の必要経費として計上できます。減価償却費はあくまでその一つであり、他の経費とあわせて収支全体を確認したうえで判断することが大切です。

ただし、実際にどの程度の効果があるかは、物件の構造や築年数、購入価格に占める建物の割合、本人の所得水準によって変わります。減価償却は耐用年数にわたって計上するものなので、期間が終われば計上できなくなります。売却時には、それまで計上した減価償却費が取得費から差し引かれ、譲渡所得の計算に影響します。保有期間中の効果だけを見て判断できるものではありません。

また、不動産所得が赤字となった場合、土地取得にかかる借入金の利子は損益通算の対象外とされているなど、細かい取り扱いも定められています。

この領域は税理士や国税庁への確認が必要です。記事や営業担当者の説明だけで判断せず、ご自身の所得状況に即した試算を専門家に確認したうえで進めることをおすすめします。税制は改正される可能性があるため、最新の内容をご確認ください。

相談をどう進めるか

税務の確認と並行して、情報収集を進めることになります。

医師の場合、平日の日中に時間を取ることが難しいという制約があります。当直や夜勤が入る勤務形態であれば、週単位で予定が変わることもあります。開業医であれば診療時間は読みやすいものの、診療後に経営業務が残ります。

このため、相談先を検討する段階で、対応可能な時間帯を確認しておくと進めやすくなります。夜間や週末に対応しているか、オンラインでの相談ができるか。当直明けの時間帯に合わせられるか。自分の勤務パターンと噛み合う不動産会社かどうかは、思っている以上に大きな要素です。

画像③/相談の入口ステップ図

また、いきなり個別相談に行くことに抵抗があるようであれば、手前の段階から始める方法もあります。セミナーで全体像をつかむ、資料を取り寄せて読んでみる、匿名で使えるシミュレーションツールで試算してみる。営業を受ける前に、自分のペースで情報を集められます。

セミナーについては、主催者によって内容の質はさまざまです。参加する前に、主催者の実績や、どういった立場で情報を提供しているのかを確認しておくと安心です。

監修者コメント|勝治 寛氏

当直明けにご連絡をいただくことも、週末にお時間をいただくこともあります。まずは全体像を知りたいという段階であれば、セミナーや資料請求から始めていただいて構いません。勉強のつもりで参加してみてください。

相談先を選ぶときの確認ポイント

複数の会社を比較していくことになりますが、判断の軸がないと情報量に押し流されます。次の点は共通して確認しておきたいところです。

画像④/確認ポイントのチェックリスト図

1. 管理体制

勤務が不規則で、物件の運用に時間を割きにくい立場であれば、ここが最も重要です。入居者の募集、退去時の対応、設備の不具合。どこまでが委託の範囲に含まれるのかを確認しておきます。あわせて、その会社が管理している物件の入居率が開示されているかも見ておきたい点です。

2. 実績の開示

供給してきた物件の数、事業を続けてきた年数、管理している戸数。こうした数字が公開されているかどうかは、判断材料になります。

3. 相談できる時間帯

前述の通りです。自分の勤務と噛み合わなければ、検討そのものが進みません。

4. 説明の姿勢

質問に対してどこまで答えてくれるか。とくに税務に関する説明が、断定的になっていないか。リスクについての説明があるか。その場で決めるよう促されないか。持ち帰って検討したいと伝えたときの反応も、判断の材料になります。

5. 物件そのものの条件

会社の規模や知名度ではなく、提案された物件が立地や価格の面で妥当かどうか。ここが最終的な判断軸になります。

実際にどう確認すればよいか、具体的な例で見てみます。

株式会社FJネクストは、都心エリアを中心に駅近立地の資産運用型マンション「ガーラマンションシリーズ」を展開しています。企画・開発から販売までを自社で手掛けており、管理はグループ会社のFJコミュニティが担っています。同社が管理する物件の入居率は99.1%(2026年3月時点)と公表されています。

もちろん、1社だけを見て決める必要はありません。可能な範囲で他社の提案も見ておくと、比較の基準ができます。不動産投資会社の比較サイトやランキング記事も、選択肢を知るうえでは役に立ちます。そうした情報に自分なりの判断軸を重ねて確認していくのが、進めやすい方法だと思います。

監修者コメント|勝治 寛氏

他社さんと比較していただいて構いません。私たちは購入時のご提案だけでなく、運用中の管理から将来的な売却といった出口の部分まで、責任を持ってサポートしています。中長期的な視点で見ていただければ、ご判断いただける自信があります。気になることがあれば気軽にご相談ください。

まとめ

医師といっても、勤務医と開業医では収入の構造も、金融機関から見た立ち位置も、時間の制約のかたちも異なります。検討の入り口が変われば、確認すべき順序も変わります。

一方で、共通している点もあります。税務上の扱いは個別性が高く、専門家への確認が欠かせないこと。勤務が不規則である以上、管理体制が運用そのものを左右すること。複数の選択肢を比較したうえで判断すること。

条件が整いやすい立場にあることは事実ですが、それは物件を選ぶ基準とは別のものです。ご自身の状況と照らし合わせながら、順を追って確認していくのが確実です。

監修者

勝治 寛(しょうじ かん)
株式会社FJネクスト 営業本部 アセット倶楽部課 係長
宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP

資産運用型マンションの提案・コンサルティングに従事。医師、公務員、会社員など、職業や収入構造の異なる顧客の相談に幅広く対応している。不動産投資情報サイト「GALA NAVI」でも、コラムの監修・執筆を担当。