外壁が色褪せて苔も生えてきた!?外壁劣化のサインを見逃すな!
住宅・オフィス、どのような建物であっても外壁劣化は生じます。外壁の劣化はなにも経年劣化のみが原因ではありません。色褪せ・苔・ヒビ割れなど、建物に使用されている建築材・塗料や建物の立地などによって、さまざまな劣化サインがあります。劣化サインと原因を知り、適した解決方法で外壁の改善をはかりましょう。
外壁が劣化しているサインとは
外壁の劣化と一言でいっても、建物の素材などによって劣化の症状が異なります。外壁劣化のサインを知ることで、適切なタイミングで外壁補修を行いましょう。
チョーキング現象
外壁に触れた際、手にチョークのような粉状ものもが付着することがあります。この現象をチョーキング現象といい、塗膜の表面が劣化したことにより起こる現象です。白亜化とも呼ばれ、平均で10年前後に起こり始めるともいわれています。ただし、劣化ではなく施工不良が原因で起こる可能性もあります。塗料の希釈や塗装方法にミスがあった場合、10年よりも早くチョーキング現象が起こるケースがあります。この場合、外壁劣化がないこともありますが施工不良は塗装の効果を最大限発揮していないともいえるため、修繕を検討するのもよいでしょう。
外壁のヒビ割れ
塗膜の経年劣化により、塗膜の柔軟性が失われてヒビ割れが生じることがあります。ヒビ割れのなかには、0.3mm以下のヘアークラックと呼ばれるものから、0.3mm以上の防水面にリスクが生じる構造クラックがあります。ヘアークラックは塗膜までの劣化、構造クラックは建物自体の劣化と判断することが可能です。とくに建物自体の劣化は、重大な問題を引き起こす恐れがあるため注意しましょう。
藻や苔の発生
塗膜が劣化することで、防水機能が低下します。建物に雨水がしみ込みやすくなるため、藻や苔が発生することもあるようです。とくに日当たりの悪い外壁や風通しの悪い箇所は、十分に乾燥しにくく、藻や苔が育ちやすい環境になります。一度、藻や苔が発生すると、さらに乾燥しにくい状態となり、さらなる藻や苔の発生につながってしまうでしょう。
塗装の浮き・剥がれ
紫外線や熱によって、塗膜の表面が浮き上がるケースがあります。塗膜の経年劣化による原因も考えられますが、塗装するまえに異物が入ってしまって生じることも。また、外壁のタイルとタイルのあいだにあるゴム製の樹脂(接着剤)が劣化し剥がれることも少なくありません。塗装の役割を十分に果たせないため、建物自体の劣化などのリスクが生じる恐れがあるます。ただ見栄えが悪いだけだと放置しないようにしましょう。
外壁が劣化する原因
外壁が劣化する原因はさまざまであり、必ずしもひとつの原因によるものという訳ではありません。いくつか外壁が劣化する原因を紹介します。
経年による劣化
外壁が劣化する原因のひとつが経年劣化です。建物や塗料には、それぞれ耐用年数があります。耐用年数はいわゆる寿命と同様、耐用年数に近づくほど劣化が進行していきます。外壁の劣化は、塗料の耐用年数によるものか、建物自体の耐用年数によるもの、もしくはその両方が必ず原因としてあげられるでしょう。
雨や風による劣化
外壁は雨や風によるダメージをもっとも受けやすい箇所です。台風なども大きな劣化をもたらします。たとえコンクリートなどの外壁を塗膜で保護していたとしても、酸性の雨によって少しずつダメージを蓄積していくと考えられているようです。金属のトタンなどはサビといいう症状が起こることも。
紫外線や外気温による劣化
太陽光の紫外線や熱により、塗膜が分解されて劣化が進行していきます。とくに外壁の色あせやコーキング現象は、紫外線・外気温の熱が原因と考えられており、紫外線の影響を強く受ける壁面の方が劣化の進行が早いようです。
外壁の劣化を解決する方法
外壁が劣化する原因、外壁劣化のサインを紹介しました。つづいては、外壁の劣化を解決する方法を紹介します。
外壁劣化したうえから塗装を行う
外壁の塗膜にのみ劣化が起きている場合、外壁の塗膜のうえに保護塗料を塗ることで劣化を改善できます。紫外線に強いフッ素の塗料、熱による膨張に強い弾性のある塗料、結露防止や熱に強い断熱塗料など。その建物に適した塗料を使用します。
外壁を洗浄する
藻や苔が発生した場合、もしくは外壁汚れが進んだ場合、洗浄することで劣化が解決できます。水を高圧にだして汚れを落とす高圧洗浄や、バイオ洗浄というバイオ洗浄液を用いた洗浄方法の2つの方法が一般的です。塗装前に行う作業でもあります。
外壁のつなぎ目を埋める充填剤を補修する
外壁のヒビ・剥がれが、コーキングと呼ばれる外壁のつなぎ目部分に埋められる充填剤の箇所に生じるケースがあります。この場合、コーキングの補修を行うことで外壁の劣化を解決することが可能です。コーキングの補修には2種類あり、傷んだ古いコーキングを剥がして新しいコーキングを埋める「打ち替え」と、古いコーキングのうえから新しいコーキングを塗り重ねる「増し打ち」という工法があります。窓やドアなどのサッシ周り以外は、すべて打ち替えの工法を採用し、防水性や柔軟性を確保する目的です。
外壁の劣化サインや、劣化の原因、そして解決方法を紹介しました。ただし、紹介した内容は外壁の劣化のみであり、下地や建物の構造そのものの状態はわからないといえます。一見すると外壁の塗装部分の劣化だけであるように見えても、実は雨漏りなどによって建物の下地や構造に悪影響を与えている場合も。正確な劣化の診断・調査はプロに任せることをおすすめします。