外壁塗装は3回塗りが基本?適切な塗り回数とは
外壁塗装の耐用年数は10~20年といわれています。そのため、新築で建てた住宅でもいずれ外壁塗装をしなければなりません。しかし、中には正しい塗り回数を守らない悪徳業者が存在しているため注意が必要です。そこで今回は悪徳業者に依頼しないように、外壁塗装の適切な塗り回数や守らないとどうなるのか、トラブルの対処法を解説します。
塗り回数は何回が正しいの?
外壁塗装の塗り回数には正しい回数があります。ここでは、外壁塗装の正しい塗り回数について解説します。
3回塗りが基本
外壁塗装の塗り回数は3回塗りが基本です。これは、塗料の効果が正しく発揮できる塗り回数が3回と、塗料メーカーが指定しているからです。下塗り1回、中塗り1回(上塗り1回目)、上塗り1回(上塗り2回目)の順で塗り重ねていきます。
下塗りは、下地となる外壁材と仕上げ塗料の密着性を高めるために行う塗装で、中塗りは仕上げ塗料の1回目の塗装、上塗りは仕上げ塗料の2回目の塗装です。一般的に、中塗りと上塗りは同じ塗料を使用するので、中塗り・上塗りではなく、上塗り2回と呼ぶこともありますが、施工内容に違いはありません。
なぜ3回なのか
3回塗りが基本だということには理由があります。外壁材にそのまま仕上げ塗料を塗装しても、すぐに剥がれてしまうため、外壁材と仕上げ塗料の密着性を高めるために行う塗装が下塗りです。中塗りは、外壁を美しく見せるために行う仕上げ塗装の1回目のことです。
仕上げ塗装が1回だけでは、下塗り塗料や外壁材が透けて見えることもあるので美しさが損なわれます。上塗りは仕上げ塗装の2回目のことで、下塗り塗料や外壁材が透けて見えることを防ぐことや、塗装の層である塗膜が厚くなるため耐久性が高まり美しさを保ちます。
3回塗り以外でも正しい場合がある
外壁塗装は3回塗りが基本ですが、2回塗りや4回塗りでも正しい場合もあります。メーカーによっては、下塗りや中塗りが不要という塗料もあるので、中塗りと上塗りで2回、下塗りと上塗りで2回というケースです。また、外壁材の劣化が激しかったり、サビやすい部分だったりする場合は下塗りを2回行うこともあるで、下塗り2回と中塗り、上塗りで4回塗りが必要なケースもあります。
塗り回数を守ることの重要性について
外壁塗装の塗り回数を守らないとどうなるのでしょうか。ここでは、塗り回数を守ることの重要性について解説します。
不具合が発生する
塗り回数を守らないとさまざまな不具合が発生します。塗り回数が少ないと、充分な塗膜の厚さに達していないため耐久性が低く、1年以下の短期間で色ムラや色あせにより美しさを保てません。また、必要以上に塗料を塗り重ねることによって、塗膜が厚くなり過ぎて剥がれることもあります。塗り回数が少ないのはもちろん、多過ぎても塗料の正しい効果が発揮できないということを覚えておきましょう。
塗り回数のトラブルを防ぐ方法
塗り回数によるトラブルを防ぐ方法は、きちんと塗り回数を守る塗装業者に施工してもらうことです。塗装業者の中には、3回塗りのところを2回塗りで手抜き工事したり、料金の上乗せをするために4回塗りにしたりする悪徳業者も存在します。そのため、悪徳業者に依頼しないように見積書をチェックしましょう。塗料の費用箇所に下塗り塗料と上塗り塗料の記載が別々にあればよいですが、シリコン塗装一式など塗装費用をひとまとめにしている場合は、手抜き工事や料金の上乗せをしている可能性があるので注意が必要です。
また、見積書に使用する塗料や、塗装費用の内訳の詳細が記載されていない場合は、直接業者に聞いてみてもよいでしょう。3回塗りを行う旨の返答があれば安心ですが、必要以上の塗り回数を提案されたり、施工スピードを早めるために2回塗りの提案をされたりした際は、違う業者に依頼したほうがよいかもしれません。すでに塗装業者と契約している場合は、工事の進捗状況などを確認して正しい塗り回数で塗装しているかチェックしましょう。
塗り回数をめぐってトラブルが起きてしまったら?
塗装工事が完了して1年以内に塗装が剝がれてくるなどの不具合が発生した場合は、正しい塗り回数で施工されていない可能性があります。そのほかにも何らかのトラブルが発生するかもしれません。そのような場合は、すぐさま塗装業者に連絡しましょう。一般的に、トラブルが発生してから時間が経てば経つほどトラブルの解決が難しくなるので、早急に業者と連絡を取ることが重要です。
それでも解決しない場合は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」に相談してみるとよいでしょう。国土交通大臣指定の窓口のため、専門的なアドバイスが受けられます。そのほかには、消費者センターや最寄りの弁護士会での対面相談が無料で利用可能です。
まとめ
外壁塗装の塗り回数は、下塗り、中塗り、上塗りの3回が基本です。3回塗りにすることで塗料と外壁材との密着性や、塗装の耐久性を高めます。ただし、塗料によっては2回塗りが正しいことや、外壁材の劣化の程度で4回塗りになることもあります。塗り回数を守らなければ、塗装に色ムラや色あせが発生したり塗装が剥がれてきたりするので、トラブルを防ぐために優良業者に依頼することが重要です。もし、トラブルが発生したらすぐさま塗装業者に連絡をしましょう。それでも解決しない場合は「住まいるダイヤル」に相談すると専門的なアドバイスが受けられます。