外壁塗装をするべきタイミングとは
外壁塗装は住宅の外観を綺麗にするだけが目的ではありません。外壁塗装は雨水の侵入を防止し、住宅の寿命を延ばすための重要なメンテナンスです。適切な時期で実施せずにいると、外壁から雨水が浸透して、柱や梁の住宅躯体を腐食させる恐れがあります。そこで今回は、外壁塗装を行うべきタイミングについて概要を記載したいと思います。
外壁にクラックの発生が見られるタイミング
まず外壁にクラックが入ると要注意です。クラックは長年の振動や、モルタルを塗られた時の歪みによって発生する事が少なくありません。とくに窓のサッシ等からモルタル壁にクラックが走るケースがよく見られます。これは線膨張係数の差による歪みが蓄積されて発生するものです。とくに八戸のような寒冷地の場合には、夏の高温と冬の低温との落差が大きく、このヒートショックがクラックを拡大させる要因となるため、注意が必要です。
また八戸では海からの潮風の影響も受けやすく、サッシに錆が発生し、そこからクラックが走るといったケースも少なくありません。こうした要因で外壁にクラックが入ると、その開口が紙1枚挿入できる程度でも、そこから雨水が浸透してしまいます。室内に雨漏りが生じていなくても、外壁から侵入した雨水が住宅の躯体を濡らしてしまい、木材を腐食させて住宅寿命を短命にする恐れが生じるのです。
またシロアリの発生原因になるとも考えられます。ですから、それほど開口部が広がっていなくても、紙1枚を挿入できる程度のクラックが走っていれば、すぐに外壁塗装をするべきタイミングといえます。
またクラック部をシーリングで塞ぐだけでなく、なぜクラックが発生したのかの要因を充分にチェックし、それに対する対策やメンテナンスを施した上で、外壁塗装してもらう事が大切です。塗装業者さんを選定する際には、そうした原因をしっかり追究し、適切なメンテナンスと外壁塗装を施工してくれる業者さんを選ぶ必要がありあす。
塗膜の寿命がきているタイミング
外壁塗装に用いられる塗料には多くの種類があります。塗料を塗る事で形成される塗膜には、その種類ごとに寿命があり、この寿命が近づいた時が外壁塗装をするべきタイミングの目安です。
この塗料の種類と耐用年数を、耐用年数の短い順にあげると次の通りです。アクリル系塗料で4~7年、ウレタン系塗料で6~10年、シリコン系塗料で8~15年、ラジカル系塗料で8~15年、フッ素系塗料で15~20年、無機系塗料で15~20年といわれています。一般的に、耐用年数が長い塗料ほど単価が高い傾向があり、近年ではコスト対耐用年数のパフォーマンスが比較的よいシリコン系の人気が高くなっています。
また、機能性塗料のひとつで、雨や太陽の光等の自然の力で汚れを落とし、綺麗にしてくれる効果のある光触媒塗料で、10~15年、機能性塗料の他のひとつで、熱を反射してくれる効果があり夏の室温の上昇を抑える事ができる遮熱塗料で、15~20年となっています。
それぞれの塗料の耐用年数に幅があるのは、住宅の環境が異なるからです。紫外線の強さや八戸の場合では潮風を受ける程度により耐用年数は異なってきます。この外壁塗装に使われた塗料の種類に対応して、この塗膜寿命を目安に塗装タイミングを考えるとよいでしょう。
しかし自宅の外壁に塗られている塗料の種類がわからないことも少なくないでしょう。そんな時には外壁の表面を指で撫でてみます。指に白い粉が着くようなら塗膜劣化しており、そろそろ外壁塗装をするべきタイミングだといえます。これはチョーキング現象といわれるもので、塗膜の劣化状態をチェックするひとつの方法として一般的です。
サイディングにおける外壁塗装のタイミング
サイディングにはセメントを主原料とした窯業系と、アルミ・スチール・ガルバニウムなどを表面材として用いた金属系の2種類があります。いずれも表面はお洒落なストライプや石材やレンガ積み風のデザインが施されています。板状のパネルで、工場で大量生産されているものを外壁の仕上げ材とでき、現場での作業が軽減されるため、近年急速に普及しています。
このサイディングにおいてもメンテナンスや外壁塗装は必要です。窯業系サイディングでは、厚みにもよりますが5~7年でサイディングのパネル間の隙間を埋めている樹脂のシーリングを新しく打ち替える必要があり、また7~8年で塗装が必要といわれています。
一方の金属系サイディングのメンテナンスとしては、約10年前後で汚れや白サビ等が発生する事が多いため、このタイミングで塗装をする事で腐食を防ぐと共に、綺麗な外観を維持する事がベストといえます。さらに損傷や腐食がひどくなった場合には、適時金属サイディングの貼り替えを行う必要が生じることもあります。
サイディング自体にクラックが発生することは少なく、一見メンテナンスが必要ないように思われますが、上記のように外壁のメンテナンスと塗装が必要なのです。このサイディングへの塗装は、元々の模様を活かしつつ、かつ塗膜寿命を勘案した塗料種類と色を選定して塗装することが大切です。
外壁塗装を行うべきタイミングとしては、外壁にクラックが走り、その開口部に紙1枚が挿入できる程度になっている場合、また塗料種類に対応した耐用年数が近づいているときが目安といえます。八戸は寒暖差が激しく、潮風も受けるため、どちらかというと塗膜の耐用年数は短めと考えた方がよいでしょう。またサイディングの外壁でも、メンテナンスや外壁塗装が必要であることは忘れてはなりません。